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2024年度 第8回梅田防災スクラムゼミ 開催レポート

2025年11月

梅田地区エリアマネジメント実践連絡会では、「いざという時その場にいる人同士で助け合える、みんながみんなを守るまち梅田」を目指し、梅田エリアの就業者を対象に、防災を考えるきっかけや、防災を学びあう機会をつくる目的で、「梅田防災スクラムゼミ」を開講しています。
今回は、NPO法人プラス・アーツ 永田宏和氏を講師に招き、大災害発生時の梅田地区の被害想定や避難行動指針に加えて、災害時の安否確認の方法や、身の回りにあるもので行う応急手当、備えておきたい防災グッズなど、梅田の就業者が知っておきたい帰宅困難時に役立つ情報満載の防災講座を実施しました。

日 時:2025年2月14日(金)14:00~17:00
会 場:ハービスENT 9階 1・2・3号室
参加者数:63名

1.講座

テーマ:「帰宅困難時に役立つ防災講座」
講 師:永田 宏和氏(NPO法人プラス・アーツ 理事長)

梅田防災スクラムオリジナルのじゃばら折りマニュアルで普段から啓発している情報をより詳しく解説する本講座内では、主に「災害時の安否確認の方法」、「身を守るための安全行動」、AEDの使い方や、止血・骨折の手当といった「身の回りにあるもので行う応急手当の方法」、また様々なシチュエーションごとにセレクトされた「備えておくべき防災グッズ」の紹介・解説をいただきました。
https://umeda-connect.jp/common/pdf/bo-sai/UmedaBosai_manual_viewer.pdf

「災害時の安否確認の方法」では、日ごろから家族ともSNSで繋がっておくことや、災害時に落ち合う集合場所を決めておくこと、玄関扉の裏側に伝言メモを残す方法など、あの手この手の連絡方法を用意しておくことが重要であり、それに加えて災害用伝言ダイヤル171といった各種サービスの無料利用期間を通して大切な人とともに日ごろから練習しておくことが推奨されていました。
「身の回りにあるもので行う応急手当の方法」では、実際に大判ハンカチやネクタイ、ビニール袋など、身の回りにある道具を使った止血方法と、骨折の応急手当を体験するワークショップの体験を実施しました。
「備えておくべき防災グッズ」では、職場に滞在する時に役立つグッズ、自分で備えておくべきグッズ、被災した街を移動するときに役立つグッズといった、3つのシチュエーションごとに、オフィスが密集する梅田での被災を想定した際に役立つ、コンパクトに収納できるヘルメットや、使用時に大きな音が発生しないようなエマージェンシーブランケット、持ち運びしやすいタブレットタイプの携帯トイレなど、防災グッズの実物を交えた解説をいただきました。
それに加えて、大震災後は水道管が破断するなどして逆流・オーバーフローする危険性があるため、ビル全体でトイレの使用を全面禁止にするといったルール作りが有効であることや、簡易トイレを各フロアに備蓄し普段からマニュアルを掲示しておくことで災害時のスムーズな運用を想定している東京ガスの取り組み事例などをご紹介いただきました。

講座の様子

2.参加者同士の意見交換

その後参加者同士で、「梅田における防災について知りたいことや課題感」と「各社社内での防災啓発の取り組みの現状・課題」という2つのテーマで意見交換を行いました。
1つ目のテーマでは、「非常階段の場所が分かりにくいため避難場所へたどり着けるかどうか」、「津波や地震、火災といった災害種ごとに避難場所を把握できているか」、「外国人を含む多くの来街者を安全な場所に誘導するオペレーションや人員体制が整備できているか」、「各社従業員に対して帰宅を促すタイミングはいつか」、「発災時にもビル同士の連携が取れるどうか」、といった参加者それぞれの立場や役割からコメントを出し合いました。
2つ目のテーマでは、「会社で備えている防災グッズが3日分用意されていない」、「担当部署ごとに認識の度合いに差がある」、「災害対策マニュアルが本当に機能するのか」、といった現状各社が取り組む対策への課題感の共有をするとともに、今回の梅田防災スクラムゼミを通して、各フロアに簡易トイレとマニュアルを備えておくこと東京ガスの事例を参考にしていきたい、各社内での防災活動の認知拡大を強化していきたいといった、今後の取り組みへと繋がる意見も出ました。

参加者同士の意見交換の様子

3.総括

永田氏は最後に「梅田には日々多くの人々が集い、かつ複雑な交通・システムが集積している特徴があるため、災害時には、その直接的な被害だけでなく、人流のパニックによる群衆雪崩といった二次被害も考えられる。」、とした上で、「梅田地区の各企業や、ワーカー個人が備えを進めていくことが重要だ」とお伝えいただきました。また、「企業が平時から行っている外国人をはじめとする観光客へのオペレーションが災害時にも混乱を減らすために活かせるかもしれない、避難場所が『分かりにくい』と感じるほど複雑な梅田地区ではデザインが解決の糸口にならないか」、などの示唆をいただきました。

今後も梅田地区エリアマネジメント実践連絡会は、「梅田防災スクラムゼミ」を通して梅田地区で働く方々とともに防災を推進していくための場づくりを進めていきます。

梅田地区エリアマネジメント
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